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養成する人材像

人材養成の概要及び特徴

本プロジェクトでは、医療と最先端の工学技術に精通した、ライフサイエンス分野、とりわけ医療工学技術者の養成を目標としています。このために、すでに産業界や医療等に従事する技術者・医療従事者に医学・生物学および工学技術についての適切な再教育を施し、既存の専門知識の上に新たな分野の知識・技術を獲得してもらうことを目指しています。

教育目標としては、医療の現場と、医療機器(診断、治療)の開発製造に関わる企業において、医療工学に関する技術開発およびその実地の応用等に従事し、医療技術を革新することができる技術者の創成することです。この再教育システムを通じて、医療現場や必ずしも既存の医療関連産業分野に限らない広範な産業分野の専門家を再教育することによって、従来、目的意識的に育成されてこなかった、医学と工学技術の両方の分野に精通した人材を養成することに特徴があります。


将来の応用分野

次世代の医療への応用技術を視野に入れて、次の4つの専門分野における人材像を設定しています。これらの人材像は、東北大学21世紀COEプログラム「バイオナノテクノロジー基盤未来医工学」の研究分野に沿ったものであり、同プログラムとの相乗効果を得ることが期待されています。

  1. 細胞機能と生体分子操作
    細胞生物学、分子生物学の理論知識と実験技術に理解があり、そのための、精密計測技術、画像処理技術、微小操作技術などの高度な工学技術をもち、バイオインフォマティクスなどの分子・遺伝学的情報処理技術をもつ人材。
  2. ナノメディスン
    臨床医学、とくに、がん、心臓病、脳血管疾患などの重篤な疾病の診断、治療、予後の判定などについて基礎知識にもとづく、診断のための計測・画像技術、治療のための材料・機器開発技術をもつ人材。
  3. 生体内分子・構造イメージング
    分子・細胞レベルから、全身レベルにおける画像生成、診断技術、生体機能画像の理論と実施技術を基礎とし、高度な非侵襲的、侵襲的イメージング技術を開発することができる人材。
  4. メディカルインフォマティクス
    生体システム、とくに、分子レベルから、全身レベルまでの、情報・機能と構造の相関を深く理解し、高度の計算技術を用いて、マルチスケール、マルチフィジックスの解析を行い、臨床医学へ応用して、診断、治療、予防を高度化できる人材。

本プロジェクトで養成する人材

本プロジェクトでは、上記の専門分野に向けた共通的資質を有する、次のような人材の育成を目指しています。

技術・知識的側面

  • 医学、工学、および、関連分野に関する幅広い技術・知識を有する人材
  • 専門分野における研究、開発、および、応用を理解するための素養を有する人材

心理的側面

  • 医療関連産業において、心理的抵抗なく新規分野の技術開発を推進できる人材
  • 臨床現場において、心理的抵抗なく新規技術の臨床応用を推進できる人材

これらの基礎的確立に主眼をおいている理由は、専門分野を将来にわたって切り拓いていくためには、基礎が確立されている人材にこそ応用において強みがある、という認識に基づいているからです。我が国の今後の医療工学の発展のためにも、第一歩として、このような人材を養成することが期待されています。